民宿の経営

 近年、民宿の魅力をさぐるということがさかんにいわれるようになりました。とにかく民宿は,どこか魅力があるのでしょうか。常識的に私達の抱いている民有の魅力について考えてみると、料金が安く、手作りの昧が昧わえるといったところでしょう。反対に民宿経営者は料金を安くするために家族労働でまかない、でき得るかぎり経費節約ということになります。
 もともと、民宿経営をはしめた動機は、経済的理由やその他,種々様々でしょう。とにかく内職程度に考えて、本業以外の収入源として考えていることろから気楽にスタートするむきがあります。このような条件で民宿を経営したことから魅力がおり、人気が出てきたといい得るとは思わないし、その魅力をひとことで語ることはできません。

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 ところで、このように民宿の人気が出てきたのは昭和30年代に入ってからで、高度経済成長に伴い爆発的な人気になり、全国津々浦々にまで観光客が押し寄せるようになりまし。この人気にこたえるかのように、民宿が宿泊施設として雨後の竹の子のように急激に増加しだしたのです。いわゆる、にわかづくりの民宿経営者の誕生をみるのです。そのようなことから、民宿経営者の経営困難や接客業のむずかしさが露呈するようになってきました。
 とくに民宿の発祥地ともいかれている長野県の白馬村民宿について、民宿経営に赤信号という報道がなされました。この主なる内容は、借金経営、過当競争、無計画営業といった民宿の弱点の表面化により、民宿経営に赤信号が出たというものです。このことから水菜である農業までピンチになり,無計画な都市開発もみられ、スプロール化現象が山村にも現出しだしました。このショッキングな報道により、私達は民宿に対して関心をもちだしたのです。
 民宿経営は、今後、地域経済にどのように発展していったらよいのでしょうか、また、どのように民宿経営をすすめていったらよいのでしょうか。
 民宿の概念規定をするにあたって、まず民宿が学問的に研究対象となりうるかどうかの問題から考えなくてはなりません。それには、「民宿に関する体系的知識の総体」であるというものでなくてはならないし、民宿に関する現象、つまり民宿現象を研究の対象とすることです。そして「民宿」とは何であるか概念規定をすることによって、他の諸科学の場合と同様に、その規定に従って研究方法がおのずとできるのです。しかし、概念規定は研究の進むにしたがって修正されることもあるので、われわれは,このような概念を一つの作業仮説と呼んでいます。
 まず日常用語として概念規定し、次に歴史的にとらえた概念規定をし、次に法規則、つまり旅館業法と「民宿」との関係において概念規定し、最後に諸科学との関連、とくに「観光」との関係から検討し、諸学者の規定と比較検討する。研究を進めていくうえで、規定が利用しにくいようではまずいので、日常用語と科学用語とはかけはなれないようにし、そうならないように努力するつもりです。そして、現象をとらえるにあたっては、一部の地域の調査データや、その他の研究を利用し試行錯誤し、累積的に発展させ、規定率法則を見い出さなくてはなりません。無から出発して独力で学問体系を樹立するようなものです。いまや我が国には、民宿の調査研究が散在していることは周知のとおりです。しかし、体系的に研究したものは知る限りでは見聞したことがあません。概念規定するにあたって、まず方法について検討したしだいです。

田舎暮らし

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