宿泊機能を中心とした民宿の立地

 民宿が宿泊施設として機能し立地していくには、施設」と飲食が清潔さと真実を提供するということが基本的なことです。
 つまり、寝具、什器の備品からはじまって、施設全体に清潔感を与えなければなりません。そして、「寝る、休む」目的の宿泊施設は一番の景観の地にあるのではなく、一歩奥まった静かな所にひっそりと存するのがよいと思われます。
 そのようなことから、交通の便がよく、騒音のある場所は宿泊施設としては最適とはいえないのです。
 宿泊施設の機能として、最適さとは、とくに夜寝るだけの宿泊施設を簡素(粗末ではない)にして豊富な料理、そして環境立地である自然環境の良さがマッチしたとき最上でしょう。

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 少なくとも利用サイドに立った場合利用者、(消費者)としての宿泊施設の機能を具備しているということになるでしょう。この場合「消費者の四つの権利」として整理されるでしょう。この四つの権利を施設に適用してみると次のようになります。
 (1) 安全である権利 - 防火、治安、プライバシー、料金、飲食物の清潔、什器等の安全。
 (2) 知らされる権利 - 施設水準、観光レクリエーションに地の内容など。
 (3) 選択できる権利 - 遊び、食事の内容、料金、部屋、交通手段など。
 (4) 意志が反映される権利 - 苦情処理(利用者が直接・間接に民宿経営に参加すること)などです。
 以上の四点になります。このうち、安全、情報、参加については、単体施設であ柱、大規模な総合観光レクリエーション施設であれ、すべて共通なことです。
 選択性については、施設単体では発揮できないケースが多い。とくにその施設が固有性をもっていればいるほどそうです。そのような場合は地域の協力が必要になるし、各々が自分のもつ施設の機能を十分に発揮し、分担し合い (たとえば、民宿、旅館、ホテル、その他の公設の宿泊施設との協調と調和)、総合的な地域的魅力をつくりあげることです。
 従って、各々の宿泊施設が、宿泊施設の独創性を発揮して、利用者の「権利」に基づいて考えていかなくてはなりません。ただ安いことばかりが先だち、施設は豪華でなく、簡素で安く、しかも利用者が自発的に料理の用意、あと片づけ、寝具の準備、整頓までし、手とり足とり主義の姿勢を排した傾向もありますが、やはり、安いことだけがすべてでなく、客層選択によって方法を考える余裕が欲しいものです。
 最近は、青少年の施設化か目立ちますが、わが国の観光レクリエーションの機会が最も恵まれていないのは30代の家族とされています。このネックを解消するためには次のようなことが民宿にも必要であり、適応されます。
 このネック解消策として、4人家族で旅行するには、現在の宿泊施設は高すぎる。安い施設を予約するには、子供と大人の休みが一致する時期は旅行シーズンで予約しにくい。そのためには安い施設の供給増をして欲しい。
 大人、あるいは男中心(宴会用)のメニューのため、予防の食事に適さない。1泊程度ならよいが、3〜4泊となると困る。そのためには子供用のメニューにして欲しい。
 大人と予防の道ぶのをみて喜ぶ母親、義務的旅行としての父親と必ずしも内容は充実していない。結婚すると、夫婦は若いときにゆっくりと過ごせるために、大人と予防が分離して遊べること。そのためには子供用のエンターティナー託児所の設置などとなります。
 以上、利用者の欲求も一理あるのですが、しかし「権利」の主張に対して「義務」の方はどうなるのでしょうか。それは受益者負担の原則によって、考えて、「権利」「義務」のワンセットで導入していくとよいと思われます。いずれにしても利用者に満足してもらうための気持のよい応対(ホスピタリティ)、地元の情報提供や、利用者に対して楽しんでもらえるアイデアとリーダーシップ性といった全人的な要求が必要とされます。
 次に「日本における民宿の分布図と高速道」によってみてみると,東京を中心にして200km間を仮にとってみると、大型都市に近い千葉県に最も多く、ついで長野県、新潟県、そして静岡県、山梨県となっています。東京都にも数百戸あります。もちろん、名古屋、大阪を大型都市としてとってみると、東京間と名古屋圏をオーバーラップしている部分に長野県、山梨県、静岡県が入っています。
 大型都市が大消費都市、つまり民宿の施設利用都市とするならば、千葉県はかなり立地していることになります。また大阪間と名古屋間を検討してみると、オーバーラップしている範囲が広く、民宿戸数の多いところをみてみると、岐阜県、福井県、兵庫県となっており、ついで愛知県、京都府などとなっています。ただし、この立地に対して、年平均利用率によってみると千葉県5.0%と低く、日本全体の平均が6.4%であるのに対して低い利用率です。また長野県は6.4%で平均値と等しく、新潟県は6.0%と低いのです。静岡県が高く11.9%となっています。山梨県は3.2%と低い利用率です。
 次に、名古屋圏に立地していると思われる岐阜県は5.6%、愛知県は2.4%と、かなり低くなっています。福井県は6.1%、京都府が5.7%,兵庫県5.2%とやや高く、大阪間と名古屋間のオーバーラップしている部分です。
 このようなことから、民宿戸数の多いことと必ずしも利用率とは一致せず、施設利用の回転率が悪いことを示しています。つまり、各都道府県の年間平均利用率だけでは、とらえにくい面をもっているのです。ただ年間平均利用率が高いということは、通年化が進んでいることも考えられるのです。

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