道路法における沿道区域

道路の機能を保持し適切な管理をするためには、道路自体の保全のみならず、沿道から道路に及ぼされる障害を防止することも必要です。このため、道路の沿道の一定区域を沿道区域として指定し、そこでは次のような公用制限が課せられています。道路管理者は、道路の権造に及ぼすべき損害を予防し、または道路の交通に及ぼすべぎ危険を防止するため道路に接続する区域を、条例で定める基準に従い、沿道区域として指定することができます。ただし、道路の各一側について幅二○メートルをこえて指定することはできません。沿道区域を指定した場合、道路管理者はこれを遅帯なく公示しなければならず、指定は公示によって対外的効力を生じます。この指定はいわゆる一般処分の性質を有しています。

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沿道区域内にある土地、竹木、または工作物の管理者は、その土地、竹木、または工作物が道路の構造に損害を及ぼし、または交通に危検を及ぼすおそれがあると認められる場合においては、その損害または危険を防止するための施設を設け、その池の損害または危険を防止するため必要な措置を講じなげればなりません。その場合道路管理者は、その損害または危検を防止するため必要があると認める場合には、当該土地、竹木、または工作物の管理者に対し、そのための防止施設を設け、その他その損害または危険を防止するため必要な措置を講じるべきことを命じることができるものとしています。このような公用制限に対して損失補償を必要とするかについては、道路の保全のために沿道区域の土地等に関する財産権に対し必要な公法上の制限を加えるもので、その内容は民法の相隣関係に類し、所有権の内在的制約の範囲をこえるものではないため、損失補償を必要としないものと解されています。
国土交通大臣は、高速自動車国道に接続する区域について、高速自動車国道を通行する自動車の高速交通に及ぼすべき危険を防止するため、当該道路の構造およびその存する地域の状況を勘案して、政令で定める基準に従い、特別沿道区域の指定をすることができます。ただし、高速自動車国道の各一側について幅二○メートルをこえて指定することはできず、指定をした場合においては、国土交通大臣は、遅滞なく、政令で定めるところにより、その区域を公示し、かつ、これを表示した図面を一般の縦覧に供しなければなりません。この指定区域内においては、自動車の高速通行を妨げるおそれのある建築物その他の工作物または物件で政令で定めるものについて制限をうけます。
道路の沿道に設置される広告物については、都道府県の条例により、美観風致を維持し、または公衆に対する危害を防止するため、その表示を規制することができます。条例で、市長が指定する沿道区域に特定の建築をする場合に、生活環境を保全するために自動車公害の防止措置を講じなければならないとしているものがあります。
空港周辺では航空機離着陸の妨げとなる一定地域の一定高度の物件の設置、植栽、留置が禁止され、河川保全目的のため河川に隣接して河川保全区域を指定し砂防目的達成のため指定土地を定め、国立公園等の風致維持のため特別地域を景観維持のため特別保護区を指定し、これら区域内では同様に行為制限が課せられます。

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