住宅地の価格

現在、私達の周囲に見られる大都市圏の住宅地の地価形成の理論を解明するために、原始的な地代論を直接適用しようとしても、成功しないことは明らかです。地代論では地代形成の性質の相違によって、差額地代、絶対地代、独占地代の区別を立てていますが、いずれの地代も土地が資本制企業によって生産手段として使用される場合に、土地を除く投下資本に対する平均利潤を超える超過利潤の地代化としては共通の性質を持っています。そして、地価は地代の基本還元額として成立します。しかし、日本での現状では住宅地を買うのは多くの場合企業ではなく、生活者としての個人です。地価に対して超過利潤に相当するものを払うわけではありません。

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不動産企業が分譲住宅を建設するためや、分譲宅地を造成するために土地を買うことも多く、その場合不動産企業が土地売買の差益によって多額の利潤を得ています。しかし、終局的に土地を買うのは、やはり生活者としての個人になります。その場合、不動産業者は、最初の土地所有者から買った時の時価とそこに住む人に最終的に売った時の時価の差額によって利潤を得るのです。最後に買ったものが利潤を得るならば、その地価は一般の利潤を超える超過利潤の地代化、あるいは地価化とみなすことができます。最後に買った者は企業ではないために、超過利潤を得ているはずはありません。不動産企業から買う人の地価は超過利潤とはなんの関係もありません。
不動産企業がその土地によって超過利潤を得るというならば、むしろ不動産企業が最初に農家から買った地価との関係こそ、その超過利潤と関係させて考えるべきです。それは不動産企業は超過利潤を期待できるがゆえに、その土地を買うのです。しかし、その最初の地価は不動産企業の超過利潤を正しく反映していません。その超過利潤は最後の地価と最初の地価の差額によって生じるものであり、最後の地価を与件として超過利潤が大きくなるのは最初の地価が低いからであって、最初の地価と超過利潤は逆の相関をなします。最初の地価も超過利潤の近代化あるいは地価代と認めることはできません。
以上のように、不動産企業が介在する場合には、その超過利潤が最後の地価と最初の地価の差額として、地価と深い関係があることは明らかですが、地価は超過利潤によって説明されるものではなく、超過利潤こそ両地価の差として説明されるべきものであって、両地価はこの超過利潤と無関係に形成されるものとしなければりません。このように住宅地の地価は原理的地代論の直接的適用を否定します。
地代論は土地に関する経済現象を貫徹する基本的な経済法則の理論です。この理論の直接的適用あるいは類推によっては住宅地の経済現象は説明できないとしたら、どうしたらよいのでしょうか。やむを得ず住宅地の現象そのものを検討して、その中から現象を貫徹している法則を見いださなければなりません。
都市圏の住宅地の地価や家賃に関連する経済現象の中には、その土地の位置についても時間的推移に対しても繰り返し現れて例外の少ないいくつかの特徴的現象があります。住宅地であってもその地価や家賃は経済現象なのであるために、経済法則は法則的に起こる現象にむなって現れていることになります。しかし、個々の現象は各種の条件の作用を受けていて、その現れた結果だけでは経済法則の機構はわかりません。また、現象に法則性があるからといって、いくつかの現象をただ並べて見ても、その機構は分かりません。私達がまず検討しなければならないことは、現象相互の関係です。そして、経済法則をそれ自体として最も単純な形を表しているとみられる現象を選定することが必要です。

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