大都市と土地

大都市圏は多くの側面について機能障害を起こし、大都市問題は内政上の最大の問題となりました。この現象はいうまでもなく高度成長といわれるものの結果であり、高度成長の主たる舞台は大都市圏です。企業は巨大資本企業から中小企業まで大都市の集積を利用して競争に打ち勝とうとします。企業の集中に伴って、労働者、サラリーマンも大都市圏に集中します。舞台は激しく拡大しましたが、そこには秩序がありませんでした。

スポンサーリンク

日本の政府は総資本の意を体すべき保守政権でありましたが、個別資本の勝手な活動とその影響下に放任され、政府は拡大の無秩序をただ傍観していたといっても過言ではありません。それどころか高度経済成長の波に乗って拡大を助長してきました。秩序を回復する仕事は、後を追う手直しにすぎませんでした。その結果として総資本の利益に反する事となってしまいました。
しかし、無秩序な拡大の原因を単純に資本の活動のみに帰することはできません。原動力は資本にありますが、企業の活動が土地所有の制約下に行われることから、無秩序は救いがたいものとなったのです。労働者、サラリーマンの行動も、資本の支配の下にありながら、なんらかの形で土地所有の制約を受けていたのです。地価と家賃は資本と労働に対する土地所有の階級的分配関係を規定しますが、同時にその影響によって大都市圏に無秩序な拡大を余儀なくし、多くの機能障害現象を引き起こしました。
住宅について考えると、木造アパートが住宅供給の大きな役割を占め、しかも居住条件はけして良いとはいえませんでした。
持ち家は地価高とその上昇速度の早いことによって建築が困難となり、敷地も床面積も狭くなります。また持ち家を建てようとする人は、安い土地を求めて都心から田舎へと散らばっていきます。いわゆるスプロール現象です。スプロール自体が都市機能と農村機能の混在による機能障害現象ともいえますが、それはまた、道路、上下水道、電気などの施設の建設を阻害し、鉄道、バスなどの交通機関の対応を困難にします。農村の機能は破壊され、でき上がる都市は乱雑となってしまいます。
大都市の機能を最もよ組む発揮させるように、あらゆる施設を配置建設するならば、今日のように企業と人口が集中したとしても、大都市の生活はきわめて快適な状態に保たれたにちがいありません。そのために、都市機能から見た施設配置のあり方については各都市の公的機関が承認したマスタープランが存在します。しかし、上述のようにその実現は阻害され、実現する場合であっても理想とはほど遠いものとなり、かつ、多額な費用が必要とされてしまいます。
大都市問題を問題として正しく提起するためには単に都市機能だけで判断してはならず、地価に関する分析を欠くことはできません。都市計画も地価の予想を折り込んで、実現の可能性を確かめなければなりません。それ以上に、大都市に関するあらゆる政策は、その政策が地価に対してどのような事態を招くかを検討する必要があります。

田舎暮らし

保安林/ 自然公園法上の公用制限/ 河川保全区域の指定と制限/ 道路法における沿道区域/ 自然環境保全のための法制度/ 自然保護法制の問題点/ 住宅地の価格/ 大都市と土地/ 立木の売買/ 立木の移転に関する公示方法/ 立木所有権の留保と分離/