土地改良事業

農業基本法は、土地及び水の農業上の有効利用及び開発によって農業の生産性の向上及び農業総生産の増大を図ることを農政の基本施策の一環として掲げており、土地改良事業は、この政策展開のための中核的な事業として位置づけられています。土地改良事業とは、一般的にいえば、農用地の改良、開発、保全及び集団化に関する事業です。一般的には、それは土地改良法にもとづいて実施されるものと考えられていますが、水資源開発公団法、農用地開発公団法等の他の法令を根拠とするものもあり、法的根拠なしで事業を実施している場合もあってその範囲は多種多様です。

スポンサーリンク

土地改良法にもとづく土地改良事業であるためには、それが次に掲げる事業のいずれかに該当しなければなりません。
農業用用排水施設、農業用道路その他農用地の保全または利用上必要な施設の新設、管理、廃止または変更。ここに規定する事業は、いわゆる施設事業であって、原則として土地改良事業による受益の態様を同じくする施設毎に一事業として取り扱われますが、一定の要件に適合すれば一体事業として二以上の土地改良施設の新設等を併せて一の土地改良事業として実施したり、土地改良施設の新設等と区画整理、農用地の造成等とをあわせて一の土地改良事業として実施することができます。なお、土地改良法に規定する農用地とは耕作の目的又は主として家畜の放牧の目的もしくは養畜の業務のための採草の目的に供される土地であって、農地法上の農地といわゆる草地との総称です。
区画整理、土地の区画形質を変更する事業です。不規則に存在するほ場を整備すると同時に、通常、換地処分を行なって農用地の集団化を図るものです。一定の要件に適合すれば、農用地のみならず未墾地をも含めることができるほか、晴渠排水、客土等の工事をも一体として実施することができます。区画整理とあわせて区域内の水路、道路等の新設、変更が行なわれることが通例ですが、これも区画整理事業のなかに含まれ、その敷地の処理も換地計画のなかで取り扱われます。
農用地の造成、農用地以外の土地から新たに農用地を造成するもののほか、田から畑、田から草地というように農用地間の地目を変換するものも含まれます。また、一定の要件に適合すれば、これらの地目変換の事業とこれに付帯して施行することを相当とする区画形質の変更の工事その他農用地の改良または保全のため必要な工事の施行とを一体とした事業も、この農用地造成事業として取り扱われます。農用地造成事業のなかには、起土、抜根、整地等の面的工事のほか造成される農用地を保全し、またはその土地を農用地として利用するために必要とされる工事も含まれます。
埋立てまたは干拓、埋立てとは盛土をして水面を埋め立てることであり、干拓とは溜水を排除して土地を形成させることです。造成される土地は、農用地目的に供される土地を主体としますが、その農用地について農業を経営するために必要とされる土地も含まれます。しかし、農業以外の他用途目的に供されるものは、字義的には該当しても法の目的の範囲外にあるのでここに規定する埋立てまたは干拓には該当しません。この事業には、農用地造成事業の場合と同様に造成された土地を農用地として利用するために必要とされる道、水路等の工事も含まれます。
農用地または土地改良施設の災害復旧、農用地についての災害復旧と土地改良施設についての災害復旧です。
農用地に関する権利ならびにその農用地の利用上必要な土地に関する権利、農業用施設に関する権利および水の使用に関する権利の交換分合、零細かつ分散した農用地を集団化するために農用地等に関する権利を大量かつ集中的にしかも一挙動で他人に移転し、自己に移転をうけることを内容とする事業であり、工事を伴わない点で他の土地改良事業と異なります。交換分合される権利は、農用地に関するもののほか、移転する農用地の利用上必要な採草地、水利施設などがあります。
以上のほか、農用地の改良または保全のため必要な事業が施設事業であるに対し、ここに規定する事業は、農用地そのものについての事業であり、客土、暗渠排水、床締等がこれに該当します。また、ここに規定する事業も、それぞれの工種が独立した事業となります。

田舎暮らし

農地の所有権移転/ 農地転用の許可/ 既墾地と未墾地/ 請負耕作/ 農協の農地取得と農地法/ 農振法における土地規制/ 農地相続/ 農地分与/ 町村有の原野の借り受け/ 入会林野近代化法/ 入会林野近代化法/ 山林の立木所有権と土地所有権/ 土地改良事業/ 農村計画/ 農村計画の内容/ 農村計画条件の整理/ 農村計画上の問題点/ 農村計画と公共施設/