農村計画

近年は全国各地の農村で、農村計画、新農村建設、近代農村建設などというような声がきかれるようになってきました。これには様々なことが契機となっていると思われますが、主に次のようなものがあげられます。干拓地の規模が農業土木技術の進歩とともに拡大してきたことによって、いままでのように地域施設の多くを地域外にたよることが実情に通さなくなり、その地域内に住宅や農業生産施設以外の諸施設の建設を必要とするようになってきたため、農村地域の各種施設計画が立案できるようになってきました。既存農村では、各地で進められている構造改善事業、特に大規模圃備などにより、既存集落に対する再検討の機運が高まってきました。農村にも、農業生産の大規模化、機械化に伴って、大規模乾燥施設、各種の大規模生産施設など、住宅以外の諸施設が次第に建設されるようになってきており、また各地にみられる会館の建設もみのがせません。

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近年は米価問題に関係して米の過剰生産の実態が明らかにされ、稲作の規制や他作目ヘの転換が現実の問題となり、このことによって、従来の集落または地区の再編成の必要が高まることも考えられます。車所有者の増大は、集落内道路、幹線道路の整備に対する強い要求として表れているばかりでなく、生活圏がひろまる一方、耕作時間の短縮により耕作距離に対する考えも変化させられてきています。居間までで行なわれてきた住宅改善だけでは生活の発展に限界があるので、生活環境の整備が大きく取り上げられるようになってきました。
市町村の合併によって多くの市は周辺に農村部を包含するようになったので、農村部との関連を考慮せずには都市計画の立案はできなくなりました。単に市町村の合併による地域の拡大ばかりでなく、車利用によって農村の生活圏が拡大したこと、都市施設の利用によってはじめて生活の完結がみられるようになってきたこと、農村部からの通勤者が増大していることなどで、実質的に農村部と中心市街地との結びつきが強くなってきています。また、自治体の行政単位をこえて、屎尿処理施設の建設、市民病院の建設など、広域行政による施設の建設が増加してきました。人口密度の低い農村地域で人口を小規模集落に分散させることは、農村地域の諸施設を貧困にし、それが農村の生活水準の低さの一因にもなっていますが、このことはすでに数多く指摘されてきています。そのうえ、大都市への人口集中や農村部における中心市街地周辺への人口集中は、農村地域の人口減少をきたし、それが地域施設とくに教育施設に大きく影響して各地で学校統合が行なわれたりしていますが、そのため集落間の対立をもたらす場合もあり、また統合によって寄宿舎を開発するなど農村の地域施設の再編成が必要となってきています。
観光、レジャーブームの急激な発展により、海岸治いの地区や高原あるいは国道治いの地帯などで、観光客や別荘族を対象とする施設の建設、開発が相ついでいます。このような動きに対しては、国民全体の健康的な体養、レクリエーション活動の発展、自然景観の保存、文化財保護、農村地域の環境悪化の防止などの立場から、早急な再検討が必要となってきます。
このように、農村地域の性格、農業生産技術、農村生活という各面での変化がみられる以上、それに適合した新しい空間をつくり出す必要も出てくるわけです。従来、農村開発、農業地域振興、地域農業の課題というと、山からとか、水からとかのように、農業生産面の改善、発展のみが目標とされてきたし、また経済的にはそれなりの目的を果たしてきましたが、最近では都市との関連とか生活環境の整備充実など生活面での改革、進展を図らなければ農村地域の発展を保証することも住民を定着させることもできず、ますます都市との格差がひらいて農業生産そのものも行きづまるという考え方に変わってきつつあります。つまり農業構造の改善と農業生産の安定した発展には、生活構造の改革および生活環境の整備を欠くことがてきないという点に気づいてきたということです。このような既存農村の実態を反映して、各地で農村計画や集落整備計画の作製機運がたかまり、一部の地域ではその事業化が検討されている例もみられ、人口滅少地帯では中心への移転が計画され、散居地帯でも集中化を計画しているところが出てきました。

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