農村計画の内容

農村をめぐる諸条件の変化は、農村地域を対象とした総合な計画の必要性を一段とたかめています。農業生産の近代化と合理化をめざした農策構造改善事業をはじめとする種々の計画、施策によって、農村の生産あるいは経済に関する側面の計画は現実に進みつつあります。農村の社会あるいは生活に関する側面の計画は住宅改善指導によって行なわれてきましたが、そのような個々の改善には限界があり、それ以外の生活環境整備の必要性がようやく認識されるようになったのが現状です。一方で近年、都市の発展はいちじるしく、経済、人口、労働、土地需要などの面で農村に重大な影響を及ぼし、かつ、発展した交通、道路、情報手段を通じて都市と農村とは密接な関係をもつにいたり、同時に意識の面でも大きな影響を与えていわゆる都市化現象をおこしています。農村計画とは、このような都市と農村との関係を含めて、農村の生産、生活両面の変化に対応した将来の発展のために、ある地域の生産、生活をめぐる諸条件を整理して現在の諸問題を明らかにし、解決への方策を具体的かつ総合的にしめし実現のためのプログラムを検討するという一連の空間計画をいいます。このように、農村計画は農業地域における生産、生活の総合的な計画ですが、農業地域が都市と密接な関係をもつことから、地方都市圏の一部をなすものであって、圏域中心の市街地および市街化しつつある地域の計画である都市計画に対置されるものと考えられます。

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農村計画は、対象とする農村地域の農業計画、生活目標、社会計画など、基本的な前提条件を受けての物的計画であり、生活圏の構成計画、地域施設設置計画、集落計画、供給処理施設計画、土地利用計画、道路交通計画、公園緑地計画、圃場整備計画、用排水路計画、生産流通施設計画などを具体的内容とする計画です。
このように、農村計画は、農業生産と生活環境が車の両輪のように足並みをそろえて発展していくことを目的とするものであり、生産、流通など経済面に関するいわゆる農業計画を前提とすることはもちろんですが、現段階では農業地域における生活空間、生活環境の整備充実が大きな目標であって、生活環境の充実がとりもなおさず農業生産の発展の基盤であると考えられるところに大きな特徴があります。
農村計画の具体的内容は、それぞれの段階によって変化します。つまり農村計画を広義に考えると国土計画的段階まで含まれますが、そのような段階では農業経済計画的内容が中心となります。しかし、ここで取り上げる農村計画は、主として地方都市圏計画から集落計画にいたる段階のものに限るうと思われます。地方都市圏計画における農村地域の計画では、中心の市街部を除く周辺の農村地域の性格区分、農業経営類型のはりつけ、生活圏の設定、人口配分、幹線道路計画、交通計画、大規模あるいは主要な生産、流通施設計画、地域施設の段階的設置計画、供給処理施設計画などを検討します。
農村コミュニティ計画においては、都市圏計画での基本的な構想の上にたって、具体的に個々の農村コミュニティの中における具体的な地区内の性格区分、土地利用の基本構想、集落の位置と規模、各種施設の設置計画、幹線道路、集落問道路計画、供給処理施設の配管計画などの決定を行ないます。
集落整備計画においては、個々の集落および集落周辺の土地利用の整理、生産施設、地域施設の配置計向、集落内道路、歩行者道、農道計画、宅地割り、緑化計画、各種の配管計画などを検討します。この場合、従来実施されてきた構造改善事業、生活改善、住宅改善事業などとの関連を十分に考慮し、長い間に育てられた技術、経験、組織などの蓄積を生かし発展させる必要があります。

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