農村計画条件の整理

農村計画にあたってまず第1に検討すべきことは、対象地域と都市との関係を軸とした広域的な位置、性格と広がりを把握することにあります。そのためには、中心都市のもつ力や性格、人口、経済、生産などの動向とこれに結びつく対象地域および周辺地域の位置、広がりを、距離、交通、地形、行政区域、過去の歴史的関連などから検討して、都市に近く市街化の予想される地域か、距離等からみて当分は農村的性格を維持していく地域か、その中間的地域か、あるいは、都市の施設、機能にどの程度依存するか、農村地域としてどの程度の施設、機能をもつべきか等の諸点を整埋してみる必要があります。大自然に囲まれている農村は、好むと好まざるとにかかわらず、自然の条件を重視しなければなりません。自然を重視するのは、台風、洪水、山崩れなどの災害が恐ろしかったり、自然が抱えている資源を目標とするからだけではありません。自然の語りかけ、自然の造形に未来の美しく創造性豊かな生活空間のヒントや法則を見つけうると考えるからです。ますます無機質的空間化の方向をたどる都市に対して、素朴な自然と人間性のふれあう場としての空間を造っていかなければなりません。自然のもつ基本的な構成、システムは、地形、土、気象、水、植生などの要素が総合的に表現されている地図、航空写真、模型、各部の写真などの資料のほかに、車、足あるいはヘリコプターなどによる実地踏査によっても見つけだす必要があります。また、土地利用計画などの基礎となる自然条件としては、土地の傾斜、水系統、小気候などがあげられます。これらの諸条件は、特に農業生産上、経営の点で重要な要素であり、生産の発展の予測に欠くことができないものであるとともに、農地保全と市街地域、新住宅地、集落、緑地などの適地を求める場合の重要なカギとなります。したがって、土地利用計画立案の際の資料となるように総合的に整理され図示される必要があります。

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農村コミュニティ計画、集落整備計画の主要課題の一つは、過度の人口減少、特に若年層の流出をくいとめることにあります。したがって、将来の人口推計をする場合にも、総合的な見地にたった積極的な方策をおり込んだ手法が必要です。農業の機械化、大型化、共同化など生産性向上をめざす方向は、農業就業人口の低減を必須のものとし、都市側からの労働力需要がこれに拍車をかけるため、多くの地域において農家人口の減少は避け得ないものとななります。農業就業者、農家人口の減少がくいとめられない事実とすると、人口減少をくいとめるには、農業をやめた離農者をそのまま在村させ就業地に通勤できるようにするか、新しく市街地居住者向けの宅地造成等を実施して市街地人口の導入を図らなくてはなりません。
農村地域に起こっている変化についてはすでにふれましたが、生産的側向についてみると、農地の転用、農業労働力の流出、商業的農業の伸展、作目の転換、営農方式の変化などがあげられます。これらの変化は、全国一律でなく、地域や地区によって異なった様相を示しています。特に昭和30年以降は地域条件の差によって変化の進み具合いに違いがみえはじめました。その最大の要因は、なんといっても都市の発展、膨脹で、都市からの距離によって地域の変化の様相が異なります。大まかに、都市圏農業地域、中間農業地域、僻遠農業地域と区分したり、工業的農業地帯、要再開発地帯と区分したりする考え方がでています。農村計画立案の場合にも上記の地帯区分にみられる考え方を配意するとともに、さらに、もう少し限定された範囲での地域的特性や動向に注目する必要があります。市町村域ぐらいの範囲においても、前述のような都市との距離、地形、土壌条件、水利、気象などにより様々な地区的特性をもっています。

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