農村計画上の問題点

従来の農村における生活は、多くの面において集落または部落の範囲に強く限定されていました。しかし、道路、交通の発達や車の普及による生活圏、行動圏の拡大および都市との関係の強化などの新しい動きにより、次第に広域的視野からの再編成、再検討を必要とするようになりました。地域の再編成には、市街地地におけるコミュニティ編成の場合と同様に、小学校区、中学校区や商店、農協、役場、郵便局などの公的施設を中心にした構成の考え方が採用されています。これらのいわゆる地域施設には、施設の性格、規模、内容に応じた利用圏域があり、しかもより身近な低次の施設から専門的、広城的な高次の施設に至るまで段階構成によって地域のサービスは行なわれなければならないのです。

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農村における各種施設のうち、教育、購買など日常最も利用頻度が高く近隣に必要欠くことのできない施設を中心にした生活の圏域を1次生活圏といいます。1次生活圏は、通常、小学生、主婦の歩行限界内ということで、農村の場合は半径2km、最大4km程度の圏域が考えられ、中心となる施設は小学校、若干の商店、地区公民館、郵便局、駐在所、農協支所などで、人口は4.000人から5,000人、戸数800戸から1,000戸であす。
次の段階の圏域を2次生活圏といい、中学校を中心として、ある程度の規模の商店街、診療所、中央公民館、図書館分館、町村役場、農協事務所などの集中を前提とします。2次生活圏は、半径4kmから6kmの圏域で、1から3程度の1次生活圏で構成され、人口1万人から1万5,000人、戸数2,000戸から3,000戸の規模です。
1次・2次生活圏は、現状の学区編成を中心とした考え方であり、このほかに、幼稚園または小学校低学年校あるいは老人クラブへの従歩圏を考慮した基礎集落圏や、高校区、地方都市圏にあたる3次生活圏が考えられますが、これらは段階的に構成され、各地域施設も身近な施設から高次の施設へとやはり段階的に系統づけられます。
以上のように生活圏すなわち農村コミュニティ構成の段階を明確にして、その各段階での施設整備をし、生活環境整備を行なおうとの考えがだされていますが、この圏内に収容不可能な散在地域の集落をどうするかなどの点で、行政の検討がされています。
土地利用の計画は、対象地域の合理的な土地利用を目的とし、生産用地、工業用地、市街地、住宅用地、集落用地、住民保健のための用地、交通その他の用地などに配分されますが、地域経済の発展と生活環境の整備に応じて既成利用地の中での利用の集約化や新しい部分への利用地の拡張がはかられなければなりません。したがって、一方では未利用地、粗放利用地の開発を行なうとともに、他方では各種の土地利用相互間の開発の問題の解決が必要となります。土地利用についての問題点を整理すると、次のようになります。
未利用地、粗放利用地の再開発
都市の膨脹に伴う市街地、工場敷地、住宅地等への農地の転用
集落、住宅と農地の混在、生産施設の点在
水田、畑、樹園地の混在、作目の混乱
農業用、工業用水の合理的配分
道路など交通施設は地域のフィジカルな構造を示す基本的な骨格のようなものであり、地域の性格、現状を理解し認識しようとする場合に重要な手がかりとなります。農村の都市化現象を誘引し都市と農村を近づけたのも道路、交通の発達であり、農地の他用途への転用や農村人口の流出等も道路、交通に左右される向が強い。生活圏の構成も道路、交通を軸とし、人や物の流動もこれを通じてなされます。それゆえ、農村住民の要求、期待の第1が道路であり、ついでバスなどの交通機関に集中します。従来の地域開発の基本が道路整備にあったのも当然です。道路は主要都市を結ぶ国道から県道、市町村道となるにつれ、その性格、内容、管理主体を異にします。対象地城と他の地城を結ぶ幹線道路はその地域全体の性格に影響し、道路廷長では約8割をしめる市町村道は地域内の各地区の関係を決定することになります。モータリゼーションの進展と通信情報手段の発達による農村の生産、生活の近代化は、当面は人口流出などの問題を起こしているとしても、幹線道路、地区間幹線道路、集落内道路が整備され生産、生活環境が格段の向上をみた場合には、さらに農村地域の再評価の可能性もでてきます。

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