世界の食糧展望

世界の人口は増加は年々加速化しています。地球は有限であるために、人口があまり増えすぎると食糧を始めとして様々な資源が枯渇してしまう可能性があるので、人口増加を抑制する必要が生まれてきます。開発途上国は死亡率の減少に対応して出生率を抑えなかったため自然増加率は爆発的に大きくなってしまいました。もちろん出生率を抑える技術はいろいろと工夫されており、また実行にも移されていますが、開発途上国では成果はなかなかあがりません。生活が貧しければ、子供は将来の働き手であり、また老後の社会保障でもあります。開発途上国の貧しさは人口過剰が一因であるため、開発途上国には貧困と多産の悪循環が存在することになります。さらに世界全体として人口は過剰ですが、地域的に片寄っていて、政治や資源と人間との関係では人口が少なすぎるという地域もあります。人口過剰の地域から移民を受け入れればよいのですが、現在のような国家単位の世界では大量の移民は困難です。開発余地があれば、その国の人口を増やすことによって開発しようという考え方が生まれてきます。

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平均寿命が延長してくると、平均寿命の短かい社会に比べて多くの人口をかかえていると同じような状態になります。家族計画はあくまでも長期的な観点にたった人口静止方法であって、短期的には夫婦二人いるところに、子供二人が生まれるのだから、家族は二人から四人に増加して、短期的には人口は倍増します。人間の平均寿命が短かければ、家族四人共存の状態は比較的短期に終ってしまいますが、平均寿命が長くなるほど家族四人の状態は長ぴきます。つまり平均寿命が長くなればなるほど、家族計画の成果はそれだけ遅れることとなります。
食生活の場合、生活水準の向上は食生活の多様化という形をとりますが、これは従来穀類、豆類、野菜類を中心に組み立てられていた簡単な食事から、動物性資食品などを中心とした食品へ原料、加工、消費形態を多様化するという複雑な展開をとげてきましたが、この食生活の多様化はきわめて資源消費型の生産構造を要求してきます。世界全体でこのように生活水準の向上を求めると、その供給は限界にぶつかってしまう可能性があります。
食糧生産は多くの場合土地に依存しているため、土地がどのぐらい利用できるかということが問題になります。もちろん地球の大部分は海であり、また陸地全部を食糧生産に使うわけにはいきません。またこれから開発できる農地というのは大部分が様々な意味で、従来の農地よりも生産効率の悪い土地が多いといえます。農地の可能面積と現在の既耕地との比率をみると、大洋州、南米、アフリカ、北米、ロシア、アジア、ヨーロッパの順に既耕地の割合が大きくなっています。したがって可能地として残っているところは、大洋州やアフリカのように雨量のきわめて少ないところや、南米のように熱帯多雨地帯、北米やロシアのように寒冷地帯で、アジアやヨーロッパのように農業生産に恵まれたところの多い地域と同じような生産性を上げることができるという保証はありません。地域開発には、膨大な資本と時間が必要とされます。そして農地の開発には、災害がつきものだということを決して忘れてはなりません。開発を行なうと自然の状態が変わってくるので、人間の予期しない土砂崩れや水害の発生、また土地の砂漠化などが急速に進むことがあり、異常気象を誘発する危険性もあります。
食糧を増産させるもう一つの大きな方向は単位面積当たり収量を増加させることです。日本を始めとして先進国はなんらかの方法で収量を上げることによって農業を近代化し、今日の経済発展をとげる基礎を作ってきました。この方法は品種改良を基礎にしており、メキシコの小麦、トウモロコシ改良センターや、フィリピンの国際稲研究所などで開発途上国用の小麦や米の高収量品種を開発し、開発途上国の食糧増産を可能にしてきました。これが緑の革命といわれているものです。しかしながら、ここでもまた成功するためには時間と資本がかかることを考慮すべきです。つまり高収量品種を開発したからといって、ただちに増産ができるわけではありません。品種改良によって収量を上げることは、技術的には可能であっても、それに付随して大量の農業投資が要求されてきます。農業投資がかさんでくると、社会的生産基盤ヘの投資が要求されます。いずれも大きな資本とその実現に時間がかかるという点を考慮しなければなりません。その上、ここでも公害、災害の問題を考慮しなくてはなりません。

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