農地を宅地に変える

 A君には、友人に町の農業委員がいます。長男が大学へ入るとき、少し借金をしたので、その穴埋めに、自分の耕作地を、宅地用に売ろうと、友人に相談しました。手続きしてから半年、ようやく知事の許可がおりて、三・三平方メートル八万円に売れました。これが、きっかけになって、大木君は農地転用のコツをおぼえてしまいましたた。彼の勤め先の同僚も、彼の経験に学んで、住宅金融公庫資金をかりて家を建てたものが二、三人いましたが・・・

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 ある日、同僚の紹介で、洋裁店を経営しているB子さんが訪ねてきました。話は、神奈川県の小田急沿線、某市の郊外に一三二〇平方メートルばかりの農地 を、まとめて売りたいという農家があります。付近には公庫住宅のアパートも建っているし、二、三年で住宅街になる公算は一〇〇%だといいます。そこへ、洋裁学校兼授産所を建てて経営すれば、必ずものになる自信がある。ついては、その農地を買う方法を教えてもらいたいというような用向きでした。土地は市街化区域に接した調整区域ですが県道沿いだといいます。
 A君は、なかなかの女傑だと感じながら、そういう立地条件なら、知事の許可は大丈夫と思うが、市の農業委員会へ行って打診してみること、そのときつぎの書類を用意した方がよいと注意してやりました。
 まず、その学校の計画書、何平方メートルの校舎に何人収容する。教室、裁断室、図書室、教員室などと区分した設計図(青写真)、資金計画、建築見積書など、なるべく具体的なものを用意すること。さて、B子さんは、A君が注意した通り、用意おさおさ怠りなく持参して話した結果、そういう計画なら市の発展のためにもなり、半ば公共性もあることだから、手続きしよう、ということになっりました。
 つまり、A君が注意したことを要約すると、農地の転用は、立地的にみて、その土地が農地として恒久住があるかどうか。また、国民経済的に、農地として利用するよりも、宅地あるいは工場敷地として利用した方がプラスになるかどうか。はたして、転用者に転用についての具体的な用意があるかどうか。こうした、物さしをあてて判断するのだということです。しかも、必要最小限度にとどめて許可するから、そのコツをつかむことです。
 もっとも、大都市近郊の新興都市のなかには、地方の小さな町村を合併してできた新市も多く、そういう場所では調整区域を多く合んでいるので、現況では農地であっても、その地域一帯を住宅地、工揚地にする計画図をもっている都市が多いので、それらの地域内では、同じ農地転用でも比較的条件が緩和されている場合が多いから、この点も、調査しておくと便利です。
 ただ、転用許可後は一年以内に事業または工事に着手しないと許可を取り消されるから、計画ばかり先走って、資金計画が遅れると、あとで困ることになるから、その辺は十分注意する必要があります。

田舎暮らし

農地を売買するときに注意することは/ 農地を宅地に変える/ どういう場合に農地をつぶしてよいか/ 地主が小作料を受領しないときは/ 無料で貸しても小作地になるか/