どういう場合に農地をつぶしてよいか

 農地の転用について、農民から、いろいろ話をきいた日農の幹部A氏は、政府自身の意向をたしかめたいと、地方農政局を訪れて係官からその方針を聴取しました。
 それによると、農地を耕作以外の目的に使うことが、国民経済からみて、農地として利用するよりも、はるかに効率的であると考えられる場合、または、農業経営の合理化や農業生産力の増強に役立つ場合、たとえば、トラクターが通れるように、道をひろげるとか、灌漑用の溜池をつくるとかいう場合は、許可する方針 だということ。ゴルフコースなどの娯楽施設のために、つぶすことは、原則として許可しない、ということがわかりました。

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 また、公共性をもった事業施設のためとか、学校用地にするためとかいう場合にも、できるだけ、農地以外の適地をさがして、農地をつぶすことを少なくすること。やむをえず農地をつぶす場合にも、国や県から助成金をもらって改良したり造成したりした農地や、農地改革で創設した自作地は、できるだけさけて、生産力の低い地帯に、その用地を移すようにすること。
 学校や住宅用に農地をつぶすときは、最低必要の面積にとどめて許すこと。たとえば、三六〇人から四五〇人ぐらい収 容する中学校なら、一人当たり二六・四平米に運動場一三・二平米の割、高等学校なら四九・五平米に一九・八平米の割といったぐあいに基準面積がきまっていること。木造住宅なら、建ぺい率三〇%(九九平米の家なら全体の敷地が三三〇平米)として計算した面積であること。
 しかも、転用申請を許可した日から、ふつう一カ年以内に工事をすることを条件(停止条件といって、違反したら許可を取り消す)に、確実性を判定して許可すること。
 などが、知事へ通達されていることをたしかめました(農林省通達)。
 しかし、一般には、都市近郊では、この原則が守られにくい。というのは、宅地の価格が、うなぎ上りに高くなるの で、農民にとって大きな魅力となり、財産的観念が強くなってきたこと、経営を縮めても、集約的な近代経営をした方が有利であることなどの理由があり、具体的な計画のある転用は、農業委員会でも、都市近郊の委員会は多分に自主的性格にかわってきていて、たいていのんでしまう傾向があります。
 農地転用許可の権限は、農業振興地域では都道府県知事から農業委員会の権限に移され、その対象農地が二ヘクタール以上のときは知事の権限になっています(農地法五条)。
 農地転用の許可を受けようとする者は、その農地の所在する市町村の農業委員会に、所定の許可申請書を提出しなければなりません。
 ただ、前述のように許可の下りやすい農地とそうでない農地があるので、事前に農業委員会の事務局や担当委員に聞くことが安全です。

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