小作人の保護と農地法

農地法では、小作人の保護のための規定を置いています。農地法の保護をうけうるのは、農地法の許可をうけた小作人に限られるのであって、許可をうけない、いわゆる闇小作人には、これらの保護は及びません。土地の賃借権は、登記しなければ、その後、その土地につき物権を取得した者に対し、主張することができませんが、農地の場合、小作人が土地の引渡しをうけていれば、後に、土地所有者が交代した場合、または土地に低当権等物権が設定された場合、新所有者または物権取得者に対し、賃借権を主張することができるものとされ所有者の変更等によって、小作人の地位が不安定になることがないよう、配慮されています。

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小作料は、定額の金銭で支払うぺきものとされています。農地法は、これに反する合意の効力を否定するほか、金銭以外のもので小作料を支払い、または受領する行為を罰則をもって禁止しています。戦前の、収獲物に対する割合をもって定める小作料が、ともすれば、小作人にとって過大な負担になりがちであったことへの歯止めとなることを意図したものと考えられます。また、経済事情の変動等に応じ、賃貸人からの小作料の増額請求が認められるほか、小作人からの小作料減額請求も認められるほか、不可抗力による滅収が生じた場合に、小作料を収穫の一定割合にまで滅額することを請求することもできます。小作料に関しては、農業委員会が一定の区域ごとの標準額を定め、これに比べて著しく高額の小作料が定められていると認められるときは、農業委員会が高額の小作料を定めた契約当事者に対し、その減額を勧告することができるものとされています。
小作契約につき、存続期間の定めがある場合、その更新を拒絶するためには、都道府県知車の許可を得たうえで、期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、更新をしない旨の通知をしなければなりません。小作契約の存続期間の定めがない場合、または、期間の定めがあったが更新拒絶がなされず、従前と同一案件でさらに賃賃借をしたものとみなされ、その後に契約関係を解消させようとする場合には、解約の申し入れがなされなければなりませんが、これについても、原則として都道府県知事の許可が必要です。また契約の終了に関し、民法六一七条、六一八条の規定と異なる、小作人に不利な賃借条件を定めた場合、または、賃貸借の終了に関し、解除条件や不確定期限を定めた場合、いずれもその部分の効力は認められません。農地法二○条の許可は、同条二項各号に該当する場合でなげればしてはならないとされ、賃借人が信義に反した場合等、賃貸借の継続が不相当となる具体的な要件が定められています。許可を要しない場合については、局条一項に規定があります。農地法二○条の許可は、更新拒絶の通知および解約申し入れの場合だけでなく、当事者が合意で小作契約を解約する場合にも必要とされますが、農地の引渡期限前6ヶ月以内に、書面により解約の合意が成立しているもの、及び民事調停法による農事調停において解約の合意が成立したものについては許可は不必要とされています。いずれも契約の終了を原則として都道府県知事の許可となり、契約の終了を許可すぺき事由を限定し、小作人の地位を保護する趣旨に出たものです。

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