農地の売買契約

農地の売買契約は、農地法により都道府県知事の許可をうけなければ、その効力を生じません。したがって許可をうけないと、売買契約に基づく農地の所有権移転の効力も生じません。売買契約の成立と農地法の許可の先後は問いませんが、許可がないかぎり、売買契約の効力は生じません。不動産登記決は、農地の所有権移転登記の申請につき、農地法の許可がなされたことを証する書面の提出を求め、許可のない農地の所有権の変動を登記手続の面から規制しています。
農地の売買契約に関する農地法の許可は、売主と買主が連名で申請しなげればなりません。許可を得る前に転売契約がなされている場合には、当初の契約と転売契約双方について許可を得ないと転買入が有効に農地の所有権を取得することができません。当初の売主と転買人との間に契約がなされたように許可を得ても、転買人が有効に所有権を取得することはできません。契約の当事者間において、一方が農地法の許可申請手続きに協力しないときは、これに協力すべきことを求めて訴訟を提起することができ、これに勝訴すれば、その確定判決を添えて単独で申請手続をすることができます。農地の売買契約に関する農地法の許可には、売買の目的に応じて、同法三条の許可と同法五条の許可の二種類があります。

スポンサード リンク

田舎暮らし

農地法三条の許可とは買主が買受後も農地として利用することを目的とする売買契約に与えられる許可で、本条の許可は、同条二項に定める不許可事由に該当しない場合にかぎり与えられますが、売買に関して間題となりうる不許可事由は、小作人または小作人が書面で同意した者以外の者が買い受ける場合買主またはその世帯員が、農地の全てについて耕作を行うと認められない場合耕作に必要な農作業に常時従事すると認められない場合、土地を効率的に利用して耕作を行うことができると認められない場合、買主またはその世帯員の農地買受後の耕作の事業に供すべき農地の面積が五○アールに達しない場合です。本条の許可は、同条一項各号に定める場合、売買に関していえば、国が売主となる場合、国または都道府県が買主となる場合、土地改良法および土地収用法の適用による場合、民事調停法による農事調停による場合、農業協同組合による信託事業による場合等には、これを得る必要がありません。前記みたように、本案の許可は、農地の売買が、自作農の創設、農業の振興、農地の細分化の防止等を目的とする農地法の趣旨に沿うものと認められる場合に与えられるといえます。
農地法五条の許可は買主が買受後農地以外のものに転用することを目的とする売買契約に与えられる許可です。本案の許可の要件は、法文上明確に定められてはいませんが、行政庁の取扱いとしては、その管轄区域内の土地につき、あらかじめ土地の利用状況、土地の農業生産力、農業政策等を総合考慮して、原則として転用を認める区域、具体的に転用の可否を決定する区或、原則として農地として保存すべき区域等に区分し、農業政策の一貫性と本条の許可の判断の客観性の保持に配慮がなされているようです。前記のような区分は、各都道府県の事情が直接に反映されるところであるために、具体的な売買契約につき本条の許可がなされるかどうかは、可能なかぎり許可事務担当者から事情を聴取して、許可の見込みをつけるほかはありません。本案の許可は、国または都道府県が買主となる場合士地収用法その他の法律により収用する場合市街化区域内にある農地をあらかじめ都道府県知事に届け出て農地以外のものにするため買い受ける場合には、これを得る必要がありません。

田舎暮らし

小作契約/ 小作人の保護と農地法/ 請負耕作契約/ 農地の売買契約/ 農地法許可後の法律関係/ 農地法の許可を必要としない場合/ 農地の担保化/ 立木の担保化/ 農業用動産の担保化/ 小作料と地価の規定/