農地法の許可を必要としない場合

農地の売買であっても、農地法三条、五条に規定する一定の場合に農地法の許可を要しないことがありますが、売買の対象となった土地が農地でなくなった場合等にも許可を要しません。農地法は農地の売買につき許可を要することとしているのであり、農地とは現に耕作の目的に供される士地を言うものとされています。したがって登記簿上の地目が農地であっても、現況が農地でないなら、売買につき農地法の許可を得る必要がなく、逆に登記簿上の地目が農地以外のものであっても、現況が農地であるなら、許可を得なければ売買の効力を生じません。売買契約当時の農地が許可を得る前に農地でなくなった場合には、判例は、農地でなくなることにつき買主が加担していなかったことを理由として、売買契約が許可を要せず有効になると判断したものと、売主の同意に基づくとはいえ、買主が農地でなくなることにつき加担したにもかかわらず、近隣の宅地化等の事情を重視して同旨の結論を導いたものとがあります。農地法の適用を受ける農地であるかどうかは、前記のとおり、土地が現に耕作の目的に供されているかどうかにより決せられるのが原則ですが、現に耕作の目的に供されていなくても、政策に従って体耕している土地、労力不足等により一時的に体耕している土地等将来耕作が予想され社会通念上耕作されるものと認められる土地も農地法の通用を受け、農地と認めるのが相当で、さらに現況からは農地でなくなったと認められる土地であっても、土地の現況のみでなく、当事者の契約の目的、農地でなくなるに至った経緯、徒前の農地としての性格、付近の土地の現況、農業政策および土地政策との関連、農地法八三条の二によって違法な農地の転用の原状回復を命じることを考慮して農地法の適用をうけるべき農地と判断される場合も有り得ます。したがって売買契約後耕作を中止し、または土盛りなどをしただけでは、処罰をうけまたは原状回復を命じられることはありえても、直ちに農地法の適用を免れ、契約が有効となることはならないために、農地の売買契約については農地法の許可を得ることが先決となります。

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